2023年9月30日(土)~10月9日(月・祝)・会期中無休
「内藤亜澄展-箱庭の子供たち-」をご案内申し上げます。
内藤先生が昭和会展昭和会賞を受賞されましたのは2021年、平均台に立つ子供の後ろ姿を描いた作品でした。ちょうどコロナ禍にもあり、現代を生きる我々が直面している不穏な時代の空気を、明るい色彩と軽やかな筆致による見事な表現と、高く評価され注目を集めました。
近年の制作に通底するテーマは「遊び」と「成長」。「遊び」は「文化」に先んじ、かつあらゆる人間文化の本質的なものとされるものにもかかわらず、その過程では自発的な行為として生まれる「遊び」のなかに「規則」がうまれ、いつしか「自由」は奪われ、自らを縛り付けてゆく規則を生み出します。作家は、そうした人間の先天的な性質を見出し、その姿を社会的な模範意識をもって定義づけをしようとする社会的な上からの目線を意識して、本展覧会の作品群に取り組まれました。