2021年9月18日(土)〜26日(日)・会期中無休
山村博男先生の5年ぶりとなる個展をご案内申し上げます。
1993年に昭和会賞を受賞されてから約30年、個展と国画会を核に発表を重ね、確実にその歩みを進められてきました。受賞当時のモチーフは裸婦や人物、アメリカ抽象表現主義の影響を強く受け、抽象表現へ移り行くのかとも思わせた作風でしたが、パリ取材をきっかけに、風景画に舵を切られ、イタリア、フランスを中心に、ヨーロッパの透明度あふれる風景に真摯に取り組んでこられました。
今回もヨーロッパの風景画や花を主題としておりますが、その作風には変化が感じられます。前回の個展出品作は筆づかいの勢いと色面による構成が魅力的でしたが、今回は慎重に、細部にわたり丹念に筆を置かれており、精緻を極めた作品に魅せられます。大作から小品まで誠心のこもった新作約40点にご期待ください。